ホテルから昨日同様、シャトルバスに乗りディズニーMGMスタジオに到着。バスから降りると、彼は僕の肩を抱き、頬にキスをすると手を握ってエントランスに向け歩き出した。
手を繋いでくれた彼の横顔を見ると、
「昨日、色々やらないといけなかったのに、迂闊にも寝てしまったから今日一日で、その分を取り返さないとな」とニヤニヤしながら僕に言った
MGMスタジオで絶対に乗りたいアトラクションは、「タワー・オブ・テラー」今は、東京ディズニーシーにも登場しているフリーフォール型の人気アトラクション。
設定は廃墟のホテル。そこにあるエレベータが急上昇、急降下を繰り返す、俗に言う「絶叫系」アトラクション。
昨日のスペースマウンテンに続き、今日も初っぱなから、絶叫系。この手のアトラクションが苦手な彼に、事前にどんなアトラクションなのかを説明してしまうと、「乗りたくない」とゴネ始める事は確実なため、僕は黙って彼と手を繋いで「タワー・オブ・テラー」を目指した。
椰子の木が両サイドに植えられた通りを歩き、前方に見るからにオドロオドロしい高い建物が見えてきた。
「なぁ、タワー・オブ・テラーってどんなアトラクションなんだ?」
「えーっと、僕も初めて乗るからよくわからない」僕はとぼけた。
「そっかぁ。高いビルだなぁ。ジェットコースターじゃなさそうだね」
「そうだね…」というか、ある意味ジェットコースターより怖いかもとは言わなかった。
タワー・オブ・テラーのエントランスをくぐり、僕たちは列に並んだ。朝イチだったため、それほどの行列もなく、列もスムーズに流れていく。彼は僕を後ろから抱きしめたまま歩き、列が止まると僕の首筋にキスをしたり、耳を軽く噛んだり、頬にキスしたりと、ちょっかいを出してきた。
列に並んでいる最中、館内に流れるアナウンス
「このアトラクションは、急上昇、急降下を繰り返す、フリーフォール型のアトラクションです。妊娠されている方、心臓、血圧に問題のある方は乗れません」
もちろん英語で流れているため、彼にはわからない。アナウンスよりも僕にちょっかいを出すことばかりに夢中で、全然聞いていない…。
そして、乗り場にやってきた。ライドであるエレベータの入り口の扉が開き、キャストに誘導されて僕たちはエレベータ内にある長椅子に座りシートベルトをしめた。
横に座る彼を見ると、ニコニコしながら僕を見て、
「エレベータに乗って、廃墟のホテルを見て回るアトラクションみたいだね」
「…」ゴメンね。僕は心の中で彼に謝った。
どうやら、完全に彼はこのタワー・オブ・テラーを「お化け屋敷」だと思いこんでいる様だった。
そして、タワー・オブ・テラーのエレベータの扉が閉まった。
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