何故か自分でもよく解らないが、人付き合い(人間関係)について相談事をされることが多い。僕自身、取り立て際だった知識があるわけでもなく、大して聞き上手でもない。自分の考えを上手く人に話すことも得意な方では無い。
僕自身が理系人間だからかどうかは解らないが、何か問題があるとき、必ず原因があって、プロセスがあって結果があると思っていた。
何を言っているかと?思われる方もいらっしゃると思うのだが、相談事の話を聞いていると、
「なんでこうなったか理由がわからないの…」
「理由なんて無いよ」
そう話す人が結構いる。
単に理由を探すことが面倒なだけで、こう言っているのかと最初は思っていたが、話を聞いてみるとそうでなく、本当に理由がわからない様子。
僕は基本的に人付き合いが余り得意でない。それは、自分がゲイであることを隠して生きているし、深く付き合うことによって、そういった自分の見せていない部分を見られてしまうことの恐怖からか、限られた人との付き合いとなる。
だからあまり人の好き嫌いが発生しない。言い方は悪いが、多少希薄な人間関係の方が僕にとっても都合がいい。
僕自身が人付き合いについてこういったスタンスだからなのかどうかは不明だが、ケイタロウには話しやすいと言われることが多く、最初に述べたように、相談事をされることが多い。
相談事の内容はいろいろあるが、最近多いのは離婚。
何度かこのブログでも書いた田舎の兄貴夫婦の話もそうだが、僕の周りではどうも結婚して10年前後でダメになるパターンが多い。
そんな離婚の相談を持ちかけられる。時として旦那と嫁から別々に。
僕自身、彼と結婚はしたが、これは僕と彼との間での約束であって、世間一般に言う結婚とは違う。
好きで結婚しても所詮は赤の他人。1から10までマッチするなんてあり得ないし、我慢も必要だと思っていたが、どうもそういう事を抜きにして、理由もわからずどうしても自分の気持ちをコントロール出来なくなってしまう人が多いようだ。
「何がダメなの?」
「わからないの…」
「そんな理由もわからず、離婚なんてするものじゃ無いと思うんだけど…」
「でもどうしてもダメなの…」
こんな押し問答を繰り返すばかり。
相手が嫌いになったわけでもないし、不満が無いとは言えないが許容範囲。それでもダメだと言う。僕には???訳がわからない。
前に人から聞いたことがある話。
人を好きになって恋愛が始まる。「恋愛」の恋がとれて「愛情」となり結婚する。そして、最後は「愛情」の愛がとれて情が残る。これが結婚生活の全てだと。
この話を聞いて、僕はなるほど、巧いことを言うなぁと関心した。もちろんずっと愛が生き続け、愛情のまま終わることもあるだろうが。
相談してくる彼らは、今、この話のどの辺にいるのだろう。少なくとも結婚はしているわけだから、愛情と情の狭間なのだろうか?この愛が薄らぎ情が残る。この過渡期なのではないか?と思うことが多い。
過渡期はとかく苦しく、我慢の時。僕は受け売りだが、この話をすることが多い。過渡期というものは辞書で調べると「古いものから新しいものへと移り変わっていく途中の時期」
二人の暮らしが新しいものへと変化している最中。気付かないうちに少しずつ気持ちに変化が訪れ、その変化の理由がわからない。そこに戸惑い、結論を急いでしまうのではないのだろうか?ここを乗り越えて、変化が止まったとき、改めて考え、結論を出すのでも良いのではないか?
変化の途中で投げ出してしまうのは、吉と出るか凶と出るかのチャンスを自ら放棄することで、吉と出た場合の幸せ見ることなく、自らの手で終わらせてしまうこと。
僕も彼と一緒に暮らし、付き合い始めた頃の恋愛にありがちなドキドキ感が薄れ、好きだなぁという愛情に変わり彼と一緒に暮らした。一緒に暮らしてみると、僕の知らない彼のいろんな面が見えた。きっと彼も僕の知らなかった面をたくさん見ただろう。
受け入れられる面もあれば、出来ない面もあったに違いない。それでも僕は幸せに暮らすことができた。彼とこの先何十年も暮らしていくうちに、愛情の愛が薄れ、情に変わったかも知れない。そんな未来のことなんて誰にもわからない。ただ、こんな風にしたい、こんな風になったらいいなという未来の話をすることはとても大切だと思う。
そんな話をする彼らたちはお互い二人の未来について話し合ったことがあるのだろうか?世知辛い世の中、そんな話をしても意味が無いなんて言わず、雑談でもなんでもいい、ちょっと先の話をしてみるのも良いのではないだろうか。
彼はよく未来の話をした。ちょっと先の未来の話、ずっと先の未来の話。それこそくだらないことや思いつきで言っていることも多かった。
朝起きてすぐ、
「なぁ、ケイタロウ。今日の晩飯、焼肉いかね?」
「朝食もまだ食べてないのに、もう夕食の話?気が早いね…」
「なぁ、焼肉行こうよ〜」
「わかったよ」
二人で出掛ける途中の不動産屋の前で、
「なぁ、これから先もずっと一緒に暮らすんだからマンション買おうか?」
「えっ?!」
「結婚したんだから、買ってもいいだろ」
「そうだねぇ」
夜のベッドの中で
「ケイタロウ、30年後の俺とお前ってどうなってるんだろうなぁ?」
「また随分と先の話だねぇ」
「お前と一緒にいるだろうなぁ」
「どうだろ?わかんないよぉ〜」
「おい!俺を捨てるのかよっ!」
くだらないけど嬉しかった。でもこの日の夜は、僕のこの曖昧な返事のため、彼は僕を問いつめ、なかなか寝かせてくれなかったことを思い出す。
そんな、具体的なことでなくていい、馬鹿馬鹿しくてもいい、そんな相手が考えている未来に、自分がいるかどうか。好きになって結婚した二人。きっと未来を見つめたとき、そのそばに彼が、彼女がいると僕は思う。
※次回は福岡の続きを書きたいと思います。
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